2016.11.19
和室の再生
100年近くたった家の再生を手がけましたが、古民家になると基礎がないことが多く、
木の束が立っている状況で、今回は地震のことも考慮して新しく基礎をつく免震金物
設置しました。
基礎再生が一番難しかったことですが、その次に神経を使ったのが和室の再生。
既存の和室は隣地境界線ギリギリに建っていましたので、床の間の奥行きを浅くして
当時の雰囲気を壊さないように再生させました。
当時の漆喰はひび割れ汚れていましたので、今回は粘土を含んだ珪藻土で
施工しました。
この素材のメリットは、もしヒビが発生してもその部分のみの補修で問題ないことと、
空気を浄化できる機能があることです。
建具も、当時のものを使いましたが、痛みがひどく、飼っていたいたウサギが建具の枠をかじり
丸くなっていましたので、ほとんどの障子を補修しました。
この障子は猫間障子といいますが、大変めずらしいので絶対再生させたかった部分です。
床は従来のイグサの畳を和紙の畳に替えましたので、長くこの新しさを維持できると思いますし、
色むらが出ないのが特徴です。
他のLDKや居室、水回りは新しくなりましたが、このように再生された部分があると暮らしに
落ち着きが生まれます。
新しい家でも、昔から大切にしていたものや、アンテイークのものがあるとグッと落ち着いた
空間に生まれ変わるのは不思議です
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