注文住宅新築コラム

2017.3.3

家づくりについて私はこう考えます。

私は今までにマンション暮らし、その後、戸建住宅を2回建てました。

1回目の家を建てることになった理由は、母親と同居するようになったからです。

それまでマンションに住んでいましたが、広くなかったし、何よりも母は花いじりが

好きだったことと、私も好きな植栽を植えた庭が欲しかったからです。

家の庭に温室を建てましたが、それは母のためでした。

家はFP(硬質ウレタン住宅)にしました。当時でもFPの住宅は高く、全館冷暖房仕様に

しましたから坪単価70万程度でした。

当時の私にとっては高額でしたから支払いには苦労しましたが、冬でも暖かい家で

家族は満足していました。

そう言う意味では高い買い物をしましたが後悔していません。

家の価格は費用対効果だと思います。

質の悪い住宅には一銭もお金を出したくはありませんが、思う以上に快適であれば

そのようなものにかかる物代は高くなるのは当然です。

 

満足した家に住んで23年が経ったころ、売却をしました。

理由は以下の通りです。

①家が狭くなったこと

②間取りにあきた

③職場までの通勤時間がかかりすぎた

④もう少し広い庭が欲しかった

⑤電気代が高かった

⑥温熱環境には満足したが、過乾燥がひどかった

などの理由から市内に引っ越すことにしました。

 

私は住宅のプロですが、どのような家にしたいのか?という点では考えるところは

皆さんと同じです。

家の雰囲気はこのようにして、デザインはこのようなテイストにしよう。

はっきり希望が決まっていなくても取り組みだすと何となく希望する間取りや

雰囲気は決まるものですね…..。

 

これから、家づくりについて考えるときに以前と違うのは家の耐用年数です。

以前の家は、30年もすると建て替えを考えないといけない家でしたが、現在の

家は最近のあらゆる自然災害を経験して、そのような災害に耐えうる住宅を建てる

ようになってきました。

そう言う点では、80年~100年スパンで考えられる住宅に進化しました。

でも、家を長寿命させるためには日頃からのメンテナンスは必要不可欠ですが…。

 

今の時代、何回も家を建てることはできません。住宅ローンのために一生を捧げる

ことはしたくありませんよね~。

イギリスでは、日本に比べて年収が低いのにどうして悠々自適に生活を送るのでしょうか?

それは簡単で、長持ちする家を建ててるから住宅ローンが終われば、家にかかる費用は

メンテナンス費用のみだからです。

それと、日本人と違って年収は低くても生活に時間のゆとりがあるので大工事以外の

ちょっとしたメンテナンスは自分たちでするからです。

それは、アメリカでもフランスでも同じです。

そう考えると、家の構造にはお金をかけた方がいいと思います。躯体がしっかりしていなければ

衣装にどんなにお金をかけても意味がありません。

 

先日、フランスに行ったとき、現地の人と家のことについていろいろと話をしましたが、

彼らには家を解体するという発想はありません…。

朽ち果てて壊れる家以外はメンテナンスして住み続けます。

ある南欧の岩山に立つ村(ハチノス城)を訪れたとき、日本ではすでに解体しているような家に

リフォームして住んでいる人がいっぱいいました。

窓から室内を覗いてみると、室内はオシャレなインテリアに飾られていました。

古いものの中に新しいものがあるとデザイン性に優れた素晴らしい空間になることを痛感しました。

このような家にはどのような人が住んでいるのか聞いてみたら、週末を利用して移り住むための

パリジャンの別荘だそうです。

南欧はパリから新幹線で3時間半ほどで着く距離にあるので別荘が流行っているそうで、それが

理想的な生活らしいです。

 

話が脱線してしまいましたが、私が数十年前に家を建てたときに、それから数十年後のことも

考えて家を建てるべきだったと痛感しました。

若いときに、老後のことも考えて家を建てるのは実感が湧きませんでしたね….。

しかし、家が100年の寿命であれば、住宅ローンが終わっても後の長い人生を楽しく過ごせます。

そういう意味で、多少高いと思ってもそれだけの理由があれば前向きに検討すべきです。

 

…………つづく